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屋根葺き替えが必要な屋根とは?葺き替えの工程もわかりやすく解説

2024.10.09
屋根は、家を守る重要な役割を担っています。
雨風から家を守り、快適な生活空間を提供してくれる存在です。
しかし、屋根は常に厳しい環境にさらされており、年月とともに劣化していきます。
「そろそろ屋根のメンテナンスが必要かもしれないけど、具体的にどうすれば良いのかわからない」「どの程度の費用がかかるのか不安」といった悩みをお持ちではないでしょうか。
この記事では、屋根の葺き替えが必要な状態、葺き替え工事の工程について解説していきます。


□屋根葺き替え工事が必要な屋根の状態





1:雨漏りがひどい、長年雨漏りを放置していた




ひどい雨漏りに悩まされている場合は、屋根の葺き替えを検討する必要があるかもしれません。
屋根は、屋根材の下に、防水紙・野地板・垂木といった下地材から構成されています。
屋根材の破損や瓦のずれがあっても、基本的に防水紙がしっかり機能を保てていれば雨漏りは起こりません。
しかし、雨漏りが発生しているということは、防水紙が機能しなくなっていることを意味します。

さらに補修をせずに長期間放置すると、野地板まで傷んで腐食してしまう可能性も。
雨漏りを根本的に解決するためには、防水紙や野地板の傷みまで確実に補修できる屋根葺き替えがおすすめです。


2:屋根材の劣化がひどい




屋根材の劣化症状には、「色褪せ」「カビの発生」「軽度のひび」など、補修して塗装で対応できるものがあります。
しかし、「錆による穴あき」「台風による屋根の剥がれ」「ひどい割れ」など、補修できないほど屋根材の傷みが激しい場合は、下地が傷んでいる可能性が高いです。
やはり下地を確実に補修するためには、屋根葺き替えが有効な選択肢となります。


3:築年数が長い




築年数が長い住宅の場合、定期的に屋根塗装でメンテナンスをしていても、屋根材としての寿命を経過している可能性があります。
素材によって異なりますが、築年数30~40年程度を目安に、葺き替えを視野に入れても良いでしょう。


4:これまでほとんどメンテナンスをしていない




スレートやセメント瓦の場合、屋根材が新しいうちは、塗膜の防水機能が保たれています。
しかし、紫外線や雨水、風、埃などの影響を受け続けると、塗膜の防水性は徐々に失われていきます。

防水性を失った屋根材は水分を吸収しやすくなり、変形や雨漏りの原因となることも。
また、乾燥時に収縮することで割れる場合もあります。
定期的な塗装が必要ですが、塗装歴のない屋根は、傷みが激しい可能性が高いです。

和瓦は、塗装の必要がなくメンテナンスフリーと言われることもありますが、棟のゆがみ、瓦のずれなどは、定期的なメンテナンスが必要です。


□屋根葺き替え工事の工程について解説





1:仮設足場の設置




屋根葺き替え工事は屋根の上で行うため、安全に作業を行うために足場を設置する必要があります。
設置後に行う屋根解体時は、砂埃が舞い、近隣に影響が及ぶ可能性があります。
そのため、足場には飛散防止用のメッシュシートを張るなど、配慮が必要です。
特にアスベスト含有屋根材の場合は、アスベストが飛散して健康被害のリスクもあります。
アスベストの飛散防止対策はしっかりと行いましょう。


2:既存屋根の撤去




葺き替え工事では、既存の屋根材、ルーフィング、棟板金や水切り板金などの役物を撤去する必要があります。
解体作業中は、砂埃やアスベストの飛散を防ぐために、足場へのメッシュシートの設置は必須です。
近隣トラブルの原因となりますので、十分注意が必要です。


3:野地板増し張り




野地板は、屋根材やルーフィングを固定する下地材です。
野地板張り付け作業では、釘打ち機の打撃音が発生するため、近隣の方への配慮が必要です。
事前に工事がある旨を伝えておくことはもちろん、作業音によるトラブルを防ぐため、近隣への挨拶も忘れずに行いましょう。
屋根を解体すると、下地材の状態を確認できます。
野地板や垂木が腐食している場合は、増し張りを行う前に補修が必要です。


4:ルーフィングの敷設




ルーフィングは、屋根の二次防水の役割を担います(一次防水は屋根材)。
現在では改質アスファルトルーフィングが主流で、耐用年数は20~30年ほどです。
ルーフィングが寿命を迎えると防水機能が低下し、雨水が屋内に侵入する原因となります。
屋根材が新しくても、ルーフィングが劣化していれば雨漏りが発生してしまうため、耐用年数を過ぎたら葺き替え工事やカバー工事を検討しましょう。

築30年以降の建物では、改質アスファルトルーフィングよりも耐久性が低いアスファルトルーフィングが使用されている可能性があります。
アスファルトルーフィングの耐用年数は10年ほどですので、メンテナンスのタイミングを見逃さないようにしましょう。


5:屋根材張り付け




葺き替え工事は、カバー工法と比べて荷重の負担が少ないため、選べる屋根材に制限がありません。
葺き替え可能な屋根材には、「瓦」「スレート(軽量瓦)」「金属屋根」「アスファルトシングル」などがあります。
重い屋根から軽い屋根に葺き替えることで、建物にかかる荷重負担を軽減し、耐震性を向上させる効果も期待できます。
瓦は1平方メートルあたり約60kgの重さがありますが、金属屋根に葺き替えれば約55kgも軽くなります(金属屋根は1平方メートルあたり約5kg)。
屋根が軽くなることで重心が下がり、地震の揺れを軽減する効果も期待できます。


6:役物取り付け




役物には、「水切り板金」「棟板金」「雪止め」などがあります。
役物は、雨水の侵入を防ぐ役割を担っており、しっかりとした雨仕舞(水が入らないように処置すること)が重要です。
雪止めは、屋根に積もった雪が滑り落ちてこないようにするための部材です。
屋根に積もった雪は、かなりの重量があり、人にかかると大変危険です。
雪止めがあれば、雪が堰き止められ、太陽の熱で徐々に溶かして安全に除去できます。

換気棟を設置すると、通気性が向上し、建物の老朽化を抑制する効果も期待できます。


7:足場解体~完成




屋根材や部材をすべて取り付け終えたら、足場を撤去し、葺き替え工事が完了となります。
作業中は、切断した屋根材の粉や欠片、野地板の木粉などが雨樋の中に溜まりますので、完成後だけでなく、毎日清掃を行うことが大切です。


□まとめ




屋根の葺き替えが必要な状態は、雨漏りや屋根材の劣化、築年数など、様々な要因が考えられます。
定期的なメンテナンスや点検を行い、早めに対処することで、大きなトラブルを防ぎ、快適な住環境を維持できます。

屋根葺き替え工事は、仮設足場の設置から既存屋根の撤去、野地板増し張り、ルーフィング敷設、屋根材張り付け、役物取り付け、足場解体まで、複数の工程を経て行われます。
各工程では、近隣への配慮や安全対策をしっかりと行うことが大切です。

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